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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
『別れたくない』と言う彼女の言葉を『そっちが先に言ったんだろ?』と俺はもう受け入れなかった。
しばらくはごたごたしたものの、その子は自分を慰めてくれたらしい同じクラスのやつといつのまにか付き合い始めたようだった。
校舎の中で見かけるふたりは仲良くやっているように見えて、俺は中学から仲がいい友人にそれを話した。
俺とその子は性格的に合わないと思っていた、との言葉に、その意味をさらに深く聞く。
四六時中男とべったりしてたいタイプの女の子とは、そういうのを嬉しく思える男じゃないと無理だろ──俺の性格をよく知ってる友人の言葉に、ただ苦笑いしか返せなかった。