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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
閉まっていたドア。
ノックもせずに開けてしまった俺の目に入ってきた、彼女のその姿は────。
「……っ! ごめん……!」
咄嗟に謝り、すぐにドアを閉めた。
何度もごめんと言い続けるも、当然のことながら何の返答もない中の様子。
想像もしていなかったこの展開にわけがわからなくて頭が混乱した。
大きく息を吐き、とりあえずここから一度離れてクールダウンしよう──そう思い、一階へと降りる。
洗面所ははなから探さずに、すでに場所を知っている台所へと直行すれば、台の上には箱に入った桃があった。
なめらかに丸いその形────。
たった今目にした光景と重なる。
咄嗟に目を逸らし、流しで手を洗った。
無意識のうちに大きく、深く、息を吐いていた。
──っ……何なんだよ、いったい……!
彼女はなぜか下半身を露出させていた。
後ろ姿──そのむき出しの白い丸みが目に焼き付いている。
すらりと伸びた、長い足も。
意味わかんねーんだけど……と、思わず口にした。
かなり動揺しているのが自分でもわかった。
いったい何してたんだ?
着替え?
「……っていうか何で突然」
考えてもわからず、また、溜め息をつく。