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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
そうして思ったことは──これからどうすべきか。それだった。
わからないならわからないなりに対応するしかない。
きっと彼女こそ、見られてしまったことで動揺しているはず。
なのに俺まで変な態度でいたら、ますます彼女は────。
「……とりあえず、普通にするしかねーよな」
いきなりドアを開けたことで、着替え途中だった彼女の姿を見てしまった──ただ、それだけ。
『だけ』ではないことだろうけど、でも、極力何でもなかったかのように振る舞わないと、彼女も恥ずかしさでいたたまれず、どうしたらいいかわからなくなってしまうだろう──と。
そう意を決し、またひとつ深く息を吐く。
そして再び、彼女の部屋へと向かった。
階段を上がりながら、まずどう声を掛けようかと考えた。
けれど、やっぱり謝るしかないという結論になり、それを自分に言い聞かせ、閉ざされているドアの前に立つ。