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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
『わかってしまった』ことに、溜め息をつき、彼女から目を逸らして言った。
「……だから何?」
口から出した言葉には、もう『生徒』に対する気遣いなど消えていた。
ゆっくりと顔を上げる彼女の視線を感じる。
──いつから。
その言動を思い返す。
彼女はいつからおかしかった?
いつからいつもとは違ってた?
視線を向け、探るかのように目を細めれば、彼女も俺を見つめ返した。
けれどすぐに不安そうに揺らす瞳。
「だったら言わせてもらうけど」
強気になったと思えば、すぐにまた戸惑うような表情をする彼女。
もっと追い詰めたくなるのはいったいなぜなのか。
「部屋から突然出て行って顔火照らせて戻ってきたかと思ったら、俺がいないあいだに部屋の中で下着脱いでて。
しかもその下着はなぜか濡れてるし」
黙ったまま俺の言葉を聞くその瞳の揺れが次第に激しくなっていく。
あらためて口にすれば、さらにわかってくることもあった。
本当に……何も知らないような顔をして、やることは大胆っていうか何ていうか────。
「……何なの。いったい何がしたいの」
尋ねるようにすれば、彼女の顔はとうとう真っ赤になった。