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水蜜桃の願い
第3章  記憶の中の彼女


「先生……」


まっすぐに俺を見つめる彼女の視線に、なぜか少しだけ胸がざわめいた。
思わず目を逸らせば、とうとう彼女は


「……先生に……さわりたい……」


それを、口にした。

俺とそうなりたいと──それはそういう意味の言葉に違いなくて。

俺のさらなる追及にも


「……さわって、ほしい……」


また、ぽつりと。

熱に浮かされたような表情で。
震わせた声で。
こくりと喉を鳴らしながら、言葉と表情で、俺を誘惑する生徒────。


「……煽ったの、そっちだから」


そう仕向けたのは俺なのに。
狡い俺は、すべて彼女に言わせて。
今、こうすることさえ、彼女のせいにして。

タオルケットの中に手を入れた。
彼女の脚にふれる。

ひっ、と息を飲みながらも拒否しない彼女を見ながら、そのまま手を上へと滑らせた。

その手触りは滑らかで。
俺の手を遮るものなど何もなくて。


「……何もはいてないの?」


さっき目にした、白い丸みが頭に浮かぶ。
一瞬手を止めたものの、俺を見つめたまま何も答えない彼女に、そのまま、また動かした。

まろやかなラインのひと撫でに、ごくりと彼女の喉が動いたときだった。


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