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水蜜桃の願い
第1章 先生と彼女
その夜はふたりで語り尽くした。
舞子も、失恋したときを思い出したのか、私が泣くのにつられたように泣き出して。
そしてふたりで泣き尽くした。
翌日目が覚めたとき、鏡で見た自分の顔のひどさに苦笑いしながら舞子を見ると、舞子も相当で。
めっちゃうける! と思いっきり笑えば、美波もだよ! と言われ、そのまままたふたりでふざけあった。
笑って。
泣いて。
それを繰り返した。
……そうして私はようやく受け入れた。
先生に失恋してしまったことを。
でも、こうして思いっきり泣いたから。
舞子がいっぱいなぐさめてくれたから。
なんだかすごく、すっきりしていた。
きっと次のレッスンも休まずに行ける――そんな気が、した。