この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の願い
第3章  記憶の中の彼女


その理由に納得した俺は、立ち上がって、汗の引いた身体に服を着た。
もう一枚タオルを借り、台所へ行ってそれを濡らす。
視界の端に映る桃は、もう見ない振りをした。

部屋に戻り、気を失ったままでいる彼女の身体を揺すれば、ゆっくりと目を開ける。
俺を不思議そうに見つめ、何度かまばたきを繰り返した。
まだ、夢見ているようなぼんやりとした目。

けれど時間を告げると、はっと我に返った様子で起き上がろうとする。
その姿から目を逸らした俺は彼女の服を拾い、手渡した。
受け取った彼女の背後に回り、さっき濡らしたタオルで身体を拭く。
びく、と一瞬震えたその反応に咄嗟に手を止めたものの、すぐに力の抜けた感覚がしたから、そのまま続けた。

背中を拭き終わると、彼女は振り向いて俺を見た。
どこか静かな目で、あとは自分で──そう言ってきたから、タオルを手渡してベッドから降り、彼女に背を向けた。

勉強した形跡が今日はない机。
その天板を指先でなぞった。
背後の、彼女の気配。
それを痛いほど感じる。


/406ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ