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水蜜桃の願い
第4章  動き出した刻


「……そうだったんだ」


すべてを聞き、そういうことか──と納得した俺の心の中に、結婚してないのかとどこかほっとしたような気持ちが生まれたことに気づいた。

それを誤魔化すように、何年振りの再会だっけ……と呟けば、彼女はすぐに答える。


10年──もう、そんなに。
あの日からそんなに時が経っていたのか。


そして彼女は話をし始めた。
仕事のこと、家族のこと。
もちろん俺も、同様に。


それはまるで、時が戻ったかのようだった。

あの頃交わしたたくさんの言葉。
彼女は無邪気に笑い、くるくると表情を変えながら俺の話を聞いていた。
『先生ってすごいね』『何でも知ってるんだね』と口にしながら。
自分の話をしたあとはいつも『聞いてくれてありがとう』と。

……そして、そんなふうに、今も。


いれてくれたお茶はアールグレイ。
それは俺の好きな紅茶。
覚えていてくれたのかと、それもまた嬉しい。


その時間は純粋に、楽しくて。
彼女も、そんなふうに感じているように俺には見える。


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