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第4章 　動き出した刻

……それを、何？
再会した今、まるでそれらをなかったかのようにできると思ってんの？


溜め息をついた。


……いつか、もう認めざるを得ないぐらいにまで、この感情は大きくなるんだろうか。


そして、そんなことを考える。


少しずつ、ゆっくりと。
そうやって彼女との時間を過ごしていけば、その想いを受け入れたいと思えるようになるんだろうか。
まだ朧気にしか形になっていないような想いを、打ち明けたいと思うときがくるんだろうか。

この、自問自答すら越えて。


「……っかんねー……」


こんな感情は初めてだったから。
10年前のモヤモヤとした……しばらく引きずり続けたものが、ここにきて急に形になったかのような、それは。


だから、そう、少しずつ。
ちゃんとその感情に自分が納得できるまで。
その感情をちゃんと俺自身が受け入れられるまで。

今はそうやって、過ごすしか────。