パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 　動き出した刻

──関係ない？


その言葉に、胸がじりじりと焦げ付くような感覚を覚えた。


関係ない……って何だよそれ。


俺を拒む、その言葉。
彼女の気持ちが見えない。
俺に会いに来たはずのこの部屋で、俺を拒絶するその言動が──わからない。


……だったら何でここに？
関係ないと口にできる程度の男のもとに、何で来た？

男がいるホテルに来ることの意味……わかってるよな？
それともまさかわかってなくて、俺のことなんか別に関係ないから何も起こるわけがないとでも思って……そんな気持ちでここまで来たとでも言うわけ？


──違うだろ。


あんなふうにまっすぐに俺を見て、気持ちを露わにしていたくせに。
今さら関係ないだなんて──そんな言葉、俺は信じない。


頭の中でぐるぐると激しく動き出した感情。
気づけば、あいつと付き合うつもりなのか聞いていた。
そんなのわからない、と声を荒げるようにして答えてきたその姿。
返事はまだしてないのかとさらに聞けば、小さく頷く。


じゃあ揺れてるとでもいうのか──俺と、あいつのあいだで。


俺が好きならすぐに断るはずなのに。
そうしてないということは、きっと、想像したとおりに違いなくて。