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水蜜桃の願い
第4章 動き出した刻
事が終わると、脱力したままベッドに横たわる彼女に背を向け、シャワーを浴びにバスルームへ入る。
汗を流しながら、目を閉じた。
彼女の艶かしい姿態を思い出す。
何度も口づけたくなったその唇には結局触れずに終わった交わり。
その代わり、指先で何度もなぞり、侵したその口内。
指に這わせられた舌先の感触が甦り、ぞくりと背筋に走るもの────。
「……は」
再び反応しそうになった自身に、その記憶を必死で追い出す。
──もう決めただろ。
言い聞かせるように、頭の中で呟く。
今から自分が何をすべきかは、ちゃんとわかっていた。