この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の願い
第4章  動き出した刻


──けれど、その日は突然訪れた。


いつものように彼女を抱き、終わった後浴びたシャワー。
部屋に戻り、ベッドに横たわったままの彼女に背を向け身支度を整える。


……静かな時間。


彼女は今日は何も言わない。
寝てしまったのかとちらりと視線を向けた。
けれど起きていて、目と目が合った瞬間、はっと我に返ったかのように彼女は瞬きを何度か繰り返す。
そして、え……と何かに戸惑っているかのような表情になり、指先で目を拭うようにした。
やだもう……とその唇から、言葉が発せられ、口元にぎこちない笑みを浮かべながら、何度も目を拭う。


──え……。


もしかして泣いてんの? と、その姿から目が離せなくなった。

やがてその笑みは崩れ、焦ったように毛布を頭まで引っ張りあげる彼女。
その表情は見えなくなっても、小さく揺れる身体が、その気持ちを物語っていた。


──俺は、なんて。


その姿で、ようやく。
……ようやく俺は、自分の浅はかさを知った。


──俺はなんてひどいことを。


ぎりっ、と噛んだ唇。
彼女から見られていないのをいいことに、歪んでいく顔をどうにもできずにただ、彼女の姿から目を逸らし、俯いた。


/406ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ