この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の願い
第5章  甘やかな願い


「……まさか再会するとは思わなかったよ」


抑えきれない衝動のままに、告げた。
あのときの、衝撃を。


「10年前──俺は透子ちゃんと離れてほっとしたはずなのに。
なぜかそのとき……また会えた、そう思った」


思い出しながら、ひとつひとつ口にする。
彼女は、俺の言葉を黙って、俺を見つめたまま聞いていた。

……そうだろう。
だって俺は今まで、自分の気持ちをこんなふうに言うことなんてなかったのだから。


「そして、知りたくなった」


え……? と、続きを促す戸惑いの聞き返し。
だから俺は、答えた。


「透子ちゃんは俺との再会をどう思ってるのか。
俺と同じ気持ちなのか、それとも違うのか」


知りたかったその答えを求めるために、彼女を試したのだと。


「……っ……だから先生、私の番号は聞かなかったの?」


聡明な彼女はすぐにその意味に気づく。
どうして、と思わず零したかのような言葉を言い直し


「どうして知りたかったの?
……私が先生と同じ気持ちだってわかったらどうするつもりだったの?」


そう、さらに問いかけてくる。
俺から目を逸らさないまま。
俺の言葉を一言一句逃したくないとでもいったような。
その雰囲気にのまれそうになるぐらいの、静かな強さ。


/406ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ