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水蜜桃の願い
第5章  甘やかな願い


噛まれている指先を軽く揺すると、彼女はようやく口を開いた。
けれどその手で掴んだままなのは変わらない。
ん? と目で、目に尋ねる。
問いかけを受け止めたまま、掴んだ俺の指を下へと持っていかれる気配────。

やがて触れたもの。
見なくてもわかっている。
彼女の手が離れていき、俺は隙間を手探りし、そのまま中に滑り込ませる。
薄く柔らかな繁みを通り抜けた手のひらで、全体を覆うようにして、さわった。
指先が感じたのは、潤み。
少し動かしただけで、すでにもうとろとろなのがわかった。
ああ……と、彼女の口から熱い息が漏れる。


「……すごいな」


彼女の足がさらに開かれる。
それは無言のねだり。
力を入れた中指は、何の抵抗もなくぬぷりと深く沈んでいく。
一度抜き、薬指を添え再びなかへ。


「蕩けきってる」


指を奥へと進ませながら、胸への愛撫をまた──と、咥えた右の尖りを強く吸う。


「────……っ!」


圧し殺したような声。
跳ねた身体を抑えて、かりっと軽く歯をたてた。


「んん、っ……!」


悶える身体の奥深くをゆっくりと弄る指先。
ぴちゃぴちゃと卑猥な水音を鳴らしながら、唇で胸を辿り、つけた痕。
ひとつだけなんて満足できなくて、何度も位置を変えながら、点々と、白い肌に赤を落とした。

彼女の吐息が耳に届く。
俺の欲情をどうしようもなく煽る、喘ぎ。
少し高めの、甘ったるく余韻を引きずるような、そんな声────。


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