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水蜜桃の願い
第1章 先生と彼女
舞子は私の話を、相槌を打ちながら、ずっと聞いてくれた。
けれど、最後の――二番目でも、発言のあとに
『……っ、ばか!』
何言ってんの、と怒られて。
『そんな関係、美波にしてほしくないよ!』
苦しいんだから、絶対そんなの苦しいだけなんだから――泣きながらそう続ける舞子に、また、私もつられるように
「……うん」
頷きながら、ただ、泣いた。
「ごめんね……」
私を大事に思ってくれる彼女の存在のありがたさが、弱っている心に深く染み渡っていくのを感じながら。
『私……その先生に感謝するから。
美波をそんなふうに扱おうとしないではっきり振ってくれたこと、感謝するからね……!』
もう、美波のばか! と泣き声で何度も繰り返す舞子の想いに、私の嗚咽も止まらなくて。
うん、と、ただそれだけを繰り返していた。