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水蜜桃の願い
第2章  先生と生徒


何もわからないままに先生の言動に振り回されていた、ただ苦しかった日々から一転──繋げることができた想いが幸せでたまらない毎日は、その気持ちをさらに加速させていく一方だ。
ふたりでいるときはもちろん、こうしてひとりでいる時間も、ただ、先生のことだけを考えてしまう。


……好き。
先生が、本当に好き。
先生の何もかもが好き。
この感情をどう扱ったらいいのか、もうわからなくなるぐらい──それぐらい、好き。


重症だな、と心の中で呟く。


付き合い始めって、やっぱりこんなふうに常に気持ちが高揚してたかな……そう自分に問いかけて、ううん、とすぐにそれを否定した。
今まで付き合った人はそう多くはないけれど、こんなふうになったことはなかったはずだ。


……それぐらい、私にとって先生はやっぱり特別なんだな。


そんな、自分にとって特別な人とこうして恋人同士になれた幸せをしみじみと感じながら、手にしたカップ。
傾けながら、何気なく、視界に入る光景に意識を向けた。



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