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第2章 　先生と生徒

「彼女は俺が受け持ってる生徒──それ以外何でもない。
透子が何を聞いたかは知らないけど、それ以上のことは何もないよ」


そのきっぱりとした口調。
そっと顔を上げれば、私を見つめていた先生と目が合う。


「……っ、でも」


言い掛ければ、ん？　と先生が優しく促してくれたから


「なんか……私のことも知ってるみたいだった。
先生の彼女はショートボブ、って……」


何で知ってるんだろ──と続ければ、ああ……と先生が深く息を吐きながらそれに答えてくれた。


「この前……透子と歩いてる俺を見かけたらしいから」

「……え？」

「だからだと思う。
俺もさっき聞いたんだけどね」


……そう、だったんだ────。


そして、ふと気づく。
だから『諦めました』だったの？
私の存在を知って？

少しずつそれらが繋がっていけば、もっと、という欲が生まれる。
先生の『俺もさっき聞いた』という言葉に、もっと……そのときに私のどんな話をされたのかとか、したのかとか──そういうのを知りたいと思ってしまう。


「……他には？
他にも、なにか言われたの？」


思わず、そう先生に聞いていた。