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水蜜桃の願い
第2章 先生と生徒
「ん?」
甘いその声にまで、切なさが混じっているかのよう。
何度もそうやってなぞられて。
伝わってるよ……と呟けば、その拍子に開いた唇の内側に少しだけ入り込んできた指。
──ぞくっ、とした。
は……と、思わず息を漏らす。
ごくりと、喉まで鳴る。
しん、とした部屋の中、思っていたより音が響いた気がして、気づかれてしまっただろうかと、恥ずかしさに目を伏せた。
「本当に?」
途端に、問い掛けられ。
ぐっ、と──さらに指が。
「あ……」
ぞくぞくが、ひどくなる。
勝手に浅く、早くなる呼吸。
唇が自然に……さらに、開いていく。
透子、と先生が漏らした声。
見上げるようにして、視線を合わせる。
私の気持ちなんて、いつも見透かされているように感じてしまう、その目。
……だったら。
高ぶる想いのままに、指先に舌をふれさせる。
今、先生のすべてを感じたい──心だけじゃなく、指先だけじゃなく。
そう……さっきされた口づけのように。
あのときみたいによけいな不安なんて考える暇がないぐらい、私をめちゃくちゃにしてほしい───気づいた途端にエスカレートしていくその欲情を、先生を見つめる視線に込めた。