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最後の一色
第12章 15日目・・・そして夜


先に寝室で休んでいる康文を起さぬように静かに部屋に入ると、
滑るようにして自分のベッドに入った。
と同時に、隣りのベッドから手が伸びてきて、美紗緒の腕を掴んだ。

ハッとして夫のほうに向きなおると、こっちへこい、とうめくように妻に命令した。
その瞬間の美紗緒の気持ちは正直、戸惑いのほうが強かった。

急にどうしたのだろう。
拒むわけではないが、うれしいはずなのだが、なんとなく気持ちが組み合わさらない。

あんなに意地悪していたのに・・当分、愛してはもらえないと思っていたのに。
あの時の事を思いだすと、複雑なパズルのようになかなか喜びはうまくはまらない。

それでも言われるままに、康文のベッドに腰を下ろすと、強い力で体を引き寄せられた。

勢いよく康文の上に倒れた美紗緒の体に、夫の手がはい回る。
ねちっとした動きに腰が浮く。
康文の上に仰向けになったまま乳房を揉まれると、
男の体の上をうねるように動く自分の姿を想像して泉を湿らせた。


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