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最後の一色
第13章 16日目
「今日はね、お家で下ごしらえしてきたから簡単にできるわ。
ロールキャベツなんだけど、ありふれてるかしら」
冷蔵庫にしまっておいたタッパを取り出す。
煮込むだけなら少しのんびりとおしゃべりができると
美紗緒は自宅の分と、涼輔の分とをまとめて作っておいたのだ。
さっそく鍋を火にかけ料理に取り掛かる美紗緒の背後から涼輔は覗き込む。
ホールトマトと一緒に煮込み始めると、
くつくつと音をたてて、トマトの香りを立ちのぼらせた。
「いい匂い・・これもうまそうだな。
美紗緒さんの作ってくれたものはどれも美味しくて。
幸せ太りするっていうの、わかる気がしたよ」
さらにのぞこうとして、涼輔のあごが美紗緒の肩にかすかに触れた。
そしてうっすらとした息が頬をかすめる。
その瞬間、また美紗緒のオンナは濡れた。