この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
最後の一色
第15章 20日目・・2人での休日
アトリエから20分ほど歩いて羽根木公園に着く。
風に吹かれるのにいい季節には、運動がてら散歩をする。
大きな公園で広々とした緑の中の開放感を感じながら寝転がって青空を見たり、
秋にはスケッチブックを広げたりする。
涼輔はこの公園で、時折心の掃除をするのだと美紗緒に話すと、
「心の掃除・・素敵な感覚ね」
そう言って緑と青空に包まれた空間を眺めまわした。
平日だが夏休みのこの時期、親子連れがシートを引き弁当をひろげる光景が
そこらじゅうで見られる。
2人は大きな木が作り出した日陰にレジャーシートを引き、
コンパクトなレジャー用のクッションを引いた。
そこに美紗緒の作ってきたサンドウィッチのお弁当と
途中で買ったハーフボトルのワインとカップを並べた。
「たまには真昼のワインもいいでしょ?それにしてもワインにピッタリのお弁当だね」
ハムやチーズ、野菜や手作りジャムを挟んだサンドウィッチは、
まるでワインに合わせて作られたように見える。
脇に添えられたタコの形をしたウィンナーが、
美紗緒にもこんな遊び心があるんだという事も教えてくれた。