この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・

午後のアトリエには心地よい風が吹き込んでくる。
ソファの上の美紗緒の髪は、時折風に舞い上げられては乱された。
そのたび、涼輔はソファの前に膝間づき、細い指で髪を払って整えてやった。
髪を撫でながら、指先を肩から二の腕へとすべらせたりもする。
きれいだよ、美紗緒さん・・
見つめながら囁くと、裸婦の眼はキラキラと潤んだ。
その輝きが放たれるのと同じくして、泉に蜜が染み出てきた。
ぬるりとした感覚。
最初の頃は不快感に足をこすりあわせたが、今では
その湿り気自体に快感を覚えるようになった。
・・そのうちきっと、涼輔さんは私を・・
私を抱いてくれる、と呪文のように心の中で繰り返し、
静かに欲望の火を燃やした。

