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最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・


午後のアトリエには心地よい風が吹き込んでくる。

ソファの上の美紗緒の髪は、時折風に舞い上げられては乱された。
そのたび、涼輔はソファの前に膝間づき、細い指で髪を払って整えてやった。
髪を撫でながら、指先を肩から二の腕へとすべらせたりもする。

きれいだよ、美紗緒さん・・

見つめながら囁くと、裸婦の眼はキラキラと潤んだ。
その輝きが放たれるのと同じくして、泉に蜜が染み出てきた。
ぬるりとした感覚。
最初の頃は不快感に足をこすりあわせたが、今では
その湿り気自体に快感を覚えるようになった。

・・そのうちきっと、涼輔さんは私を・・

私を抱いてくれる、と呪文のように心の中で繰り返し、
静かに欲望の火を燃やした。



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