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最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・
出来上がった料理をテーブルに並べる。
窓の外はまだ明るさを保っているが時間はもうすぐ7時になろうとしていた。
普段は8時をまわってからの夕食だが、たまには早い時間の食事も悪くない。
それよりも涼輔と一緒に自分の作った夕飯を食べられることがなによりも嬉しい。
アトリエで作業をしていた涼輔を呼びにいく。
「ご飯にしましょう」
「うん、今行くよ」
なんだか夫婦みたいなやり取りだ、と美紗緒は顔を赤らめる。
些細な言葉に幸せを感じながら、先にキッチンで涼輔を待った。
「うわぁ、今日はまた洋風だね。この魚は?」
皿の上には白身魚のソテーに夏野菜がたっぷりと添えられたトマトソースがかかっている。
「メカジキよ。パサパサしてるって主人は好まないけど私は好きなの。あ、ごめんなさい」
「なにが?」
「だって・・主人が食べないからここで作らせてもらったみたいで・・」
美紗緒は身を縮こまらせる。
細かな事に気を使いすぎだと涼輔は美紗緒の肩を叩いた。