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最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・
「ねぇ美紗緒さん、そんなに気ばかり使っていると疲れるよ。
せめてさ、ここにいる時は遠慮を忘れて思いっきりわがまま言ってよ」
肩を叩いた手は、ゆっくりと背中を移動しながら腰までたどり着く。
そっとその腰を押すと、見上げてきた美紗緒の唇が
物欲しげに開いた。
「さ、食べよう」
開いた唇が欲しいものは食事なんかじゃない。
体の内側で叫んでみたが、
いつかの涼輔の言葉を思い起こす。
今はまだ・・
今はまだダメだけどそのうち必ず・・
そう自分に言い聞かせて
美紗緒は涼輔の茶碗を手に取った。