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最後の一色
第2章 男が求めるのは

「ほんとに・・引き受けていただけるんですか?
あ・・いやぁよかった・・よかった!」
田原は息を弾ませ喜んだ。
急激に崩した表情は、子供の様なあどけなさを見せていた。
「ありがとうございます!なんとお礼を言っていいやら・・」
蒸気させた頬をさすりながら喜びを表す田原をさえぎるように美紗緒は答える。
「とんでもない!お礼を言うのはこちらのほうです。そんな大役を・・
そんな高額な仕事をさせていただけるなんて・・
こちらのほうがありがとうございますと頭を下げなければ」
美紗緒も田原にならってテーブルに額がつくほど頭をさげる。
今度は田原のほうが恐縮の色を浮かべた。
そして次の瞬間には弾むような笑いをもらし、
「このへんでお礼合戦はおしまいにしましょう。お互いさまという事で」
と、一旦話をまとめ上げた。

