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最後の一色
第19章 最後の一色を足す日


依頼した仕事が無事に終わった事へのお礼として、外で食事をしようと涼輔が提案した。

「今夜が最後だからって、あれこれ買い込んでしまったけど・・」

冷蔵庫の中はいつにもましてにぎやかになっていた。
食材費が普段よりかさんでしまって、支払う涼輔には申し訳ないと思いながらも
最後の手料理晩餐を楽しみたかった。

「そんなことは気にしないで。
 それよりも、美紗緒さんにお礼と、それから僕の絵が置いてある画廊へも
 連れていきたいんだ」

「画廊へ?」

「うん、銀座にある小さな画廊なんだけど、ここのオーナーが
 僕の絵を気に入ってくれて常設で展示販売してくれているんだ」

銀座には、通りに面した画廊から細い路地を入ったところにある小さな画廊まで、
数多く点在している。
涼輔の絵を気に入ってくれたオーナーは、2件の画廊を持っている。
その一つ、少し奥まっていて小さな画廊だが、そこに涼輔の絵を常設してくれている。

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