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最後の一色
第19章 最後の一色を足す日
「あなたに出会えて、あなたにモデルを引き受けてもらえて、
あんなにも素晴らしい絵を完成させることができて・・本当にありがとう。
美紗緒さんとのこの1ヶ月間を僕は一生の宝物にします」
テーブルの上に置かれたままのグラスにビールを注ぎ足した後、
バッグから和紙の封筒を取り出した。
15日分の給料を渡した時と同じ、あの和紙の封筒。
テーブルの上を擦るようにして美紗緒の前に置く。
「今日までのお給料と交通費、一応確認してください」
そう言われたが、美紗緒はそのまま、一礼してから受け取った。
「ありがとうございます。涼輔さんに声をかけていただいて、よかったです。
あなたが言っていたように運命に導かれたのね、私たち」
「そう・・運命は僕たちが出会うように導いてくれたんだ」
「ええ・・そしてあなたから愛をもらった。私にとって2人目の・・」