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最後の一色
第2章 男が求めるのは

「わかりました・・じゃあ、その条件で、引き受け願えますか?」

背筋を伸ばし、女の顔を柔らかく見据えた。

「はい。よろしくお願いします」


無事に交渉成立。
美紗緒は仕事を見つけることができ、田原はモデルを見つけることができた。
2人とも、目的を果たせたのだ。


話がすっかり解決したとたんに、コーヒーの香しさが鼻の奥を刺激した。

少し冷めてしまったコーヒーをすする。
酸味の強いキリマンジャロを、好きになりそうだと
美紗緒はカップの中を見つめた。

田原も同じようにコーヒーをすする。
安心したからか、熱さが遠のいたコーヒーを一気に飲み干した。

「あ、そうそう、まだ伺ってなかったですね、あなたのお名前」

カップを皿に戻しながら田原は聞いた。

「そうでしたわね・・鈴野美紗緒と申します」

「鈴野、美紗緒さん・・美紗緒さんはお住まいはどちらですか?」

「・・青山です・・」




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