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最後の一色
第2章 男が求めるのは

答えると、美紗緒は恥ずかしそうにうつむいた。

別に青山に住んでいることが恥ずかしいわけではない。
こんな都会のど真ん中の高級住宅街に住んでいるのに、
金に困ってホステスをやろうとしていた自分が恥ずかしかった。

「えっ!青山?そんな一等地に住んでいらっしゃるなら・・
 ご主人はかなりの高給取りなんじゃないですか?」

主婦だと答えたわけではないが、年齢的に、そしてこの落ち着いた雰囲気からそう思えた。

たしかに、美紗緒は人妻だ。
家族は夫と2人。
田原の言うように、夫の収入は高い。

「・・ええ、まぁ・・不動産業を営んでおりまして・・
 なので私も結婚してから働くことなくここまできたのもですから・・
 仕事が見つけられるだろうかと不安だったんです・・」

「そんなに余裕のある暮らしをされているのにどうしてまたホステスなんかに?」



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