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最後の一色
第21章 最終章:運命の導き

そのまま喉の奥に言葉がつかえてしまった。
誰かにひっぱりだしてもらわなければ出てこなそうなほど、声は引っ込んだままだった。

「・・別れてきたんです、主人と・・
 もう私の行くところは・・あなたの所しかないんです・・
 ここにおいてください、お願いします」

「別れたって・・どういうこと?何があったんですか?まさか、僕との事が?」

あまりの驚きに声は押し出された。
別れたってどういうことだ・・?

「と、とにかくあがって。話を聞かせて」

美紗緒の手からバッグをとると、そのずっしりとした重みに、事の重大さが伝わってくる。
本当に彼女は・・家を出てきたのだということを、この手がしっかりと理解した。


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