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最後の一色
第2章 男が求めるのは

「はい・・わかりました。ではそのように。
 それで・・いつからお伺いすればいいのでしょう?」

「そうですね・・明日からでもお願いしたいところですが、さすがに急だと思うので・・
 明後日からではいかがです?」

今日は木曜日。明後日というと土曜日からだ。
美紗緒は大きく頷いた。

「じゃあこれで決まり!明後日の土曜日から1ヶ月間、
 毎日は思っている以上に大変だと思いますが、よろしくお願いします。
 それと万が一、不測の事態が起こったら遠慮なく言ってください。
 1日2日休んだって大丈夫ですから。ただ、必ず連絡してくださいね」

「わかりました。どうぞよろしくお願いいたします」

ゆっくりと頭を下げると、田原は声を高くして笑う。
もう頭は下げないで、と。

「美紗緒さん、もっと気楽に構えてください。
 まぁ、あなたのその硬い表情が美しさを引き立ててるんだけど・・
 明後日からは職場の同僚だと思って、力を抜いてくださいね」


美紗緒は笑った。
久しぶりに口元を恥ずかしく歪めて笑った。
最近、こんなに笑った記憶がない。
特に夫とひとつ部屋にいる時は・・



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