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最後の一色
第4章 初日
10分ほどのティータイムを楽しんだ後、さっそく仕事が始まった。
まず涼輔は、廊下の突き当たりのドアを開け美紗緒を招き入れた。
「こちらで支度をお願いします。支度できたらアトリエの方へ」
そこはやはり、寝室だった。
セミダブルくらいのベッドの他には背の低いチェストが一つ。
シンプルな部屋だった。
涼輔が窓のカーテンを閉める。
少し薄暗くなった部屋が緊張を誘う。
美紗緒は身を硬くした。
「それと・・」
言いながら、チェストの上に置いてあった箱を開け、
中からなにかを取り出すと美紗緒の胸の前に差し出した。
薄いピンク色のガウンだ。
生地のこの光沢は多分シルク。
「どうぞこれを使ってください。
あなたに似合いそうな物をと選んでみたんですが・・」
「・・お気遣い、ありがとうございます。
では遠慮なく使わせていただきます」
手にしたガウンをギュッと握りしめ、涼輔と目を合わさずに頭を下げた。