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最後の一色
第4章 初日
足音を忍ばせるようにしてアトリエの入り口に立つと、
棚のスケッチブックに手をかけている涼輔が振り返った。
「よかった・・あなたに似合う物を選べて。
サイズもちょうどよかったみたいですね」
上から下へと視線を動かした涼輔の眼差しは相変わらずおだやかなままだった。
目の色が変わっていないことに安堵はしたが、
やはり緊張の鼓動は大きくなってくる。
次の瞬間、その次の瞬間にはどうなってしまうのだろう。
やましい疑いが頭の中いっぱいに広がったが、
それはむしろ自分自身で思い描いている願望なのではないだろうか・・
「では始めましょう。ガウンを脱いでソファに横たわってもらいますが・・
そうだな・・右側を下にして・・肘掛けのところにクッションを置きますから
ここに頭をのせて・・う~ん・・とりあえず、一度座ってみましょうか。
じゃあガウンを脱いでください」