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最後の一色
第4章 初日
思いついているすべての要求をいっぺんに並べてみたものの、
まだまとまりがついていない様子の涼輔は、
まずは被写体を目にすることから始めることにした。
あっさりとした口調に頷いた美紗緒は、ゆっくりとガウンの紐を解いた。
するとなめらかな動きを見せながら、シルクのガウンが波を打つ。
襟元に手をかけ脱ぎ去り、その裸身を男の前にさらした。
床に落ちたガウンを見つめたら、急に涙がこみあげてきた。
恥ずかしくて、恥ずかしくて・・
美紗緒の頬を涙が伝う。
体が震えると乳房も震える。
茂みを隠したいけど、乳房の先も隠したいけど
何もできずに立ち尽くして涙だけを流している。
そんな美紗緒に涼輔は優しく声をかける。
「ごめんなさいね・・ごめんなさいね・・今この瞬間が一番辛いですよね・・
でも2度目からは慣れてくるはずですから、今だけ、我慢してくださいね」
女の涙に多少は動揺したものの、ここで自分の心もグラグラしたら
もっとつらい思いをさせてしまう。
涼輔は裸の美紗緒、ではなく
たんなる裸婦、被写体としてその眼に映した。