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最後の一色
第4章 初日
「・・美紗緒さん?」
「え?あ・・ごめんなさい、ぼーっとしちゃって」
「初めてのことで疲れましたか?1時間も動かないでいたんですからね」
たしかに緊張からか、体中が硬くなった気がする。
ソファに横になっているとはいえ、一定のポーズで動かずにいるのはかなり疲れる。
一日一時間が限界、それで時給1万円、という事なんだろうと、高額な理由に納得できた。
「確かにちょっと、疲れました・・
じゃあ遠慮なく、お菓子をいただきます」
マカロンに手を伸ばし、口に含むと甘さが疲れた神経を緩めてくれた。
美紗緒にしてはめずらしく2つ目にも手を伸ばす。
普段、ご近所の主婦たちとお茶をする時など遠慮してほんのひとつ、
菓子を食べるか手をつけないかのどちらかなのに、今日は美味しさも手伝って、
そしてなんといっても開放感が心地よくて、
遠慮を忘れさせてくれたらしい。