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最後の一色
第4章 初日
「よかった、気に入ってもらえて。好きなだけ食べてくださいね」
そう言って菓子皿を美紗緒の前に押しやるが、
「そんなに食べたらモデルの体型が変わってしまいますわよ」
声をあげて笑う美紗緒につられて涼輔も笑う。
窓の外に流れる笑い声が、
まだ明るい空に照らされるハーブを、風になって揺らしていた。
モデルの仕事、一日目は無事に勤め上げられた。
これなら私でも頑張れる。
美紗緒は久しぶりの仕事にやりがいを感じた。
同時に、
窮屈な空間から解き放たれた喜びに浸った。