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最後の一色
第6章 5日目
「ええ、彼女は料理はまあまあできたけど、お菓子作りとかは興味がなかったみたいで。
美大の仲間たちも料理好きはいなかったし。だからこれが手作りの味初体験なんだ」
美紗緒がテーブルに置いた小さな紙袋の中をのぞき顔を下に向けたまま、
涼輔は答えた。
心の中に踏み込んでしまったか?と美紗緒は黙る。
田原涼輔という男の事を、知りたいという気持ちが少しづつ膨らむ。
そしてまた、自身の胸の内も明かしてみたい、とも・・
「さぁ、始めましょうか。
終わった後のティータイムのためにね」
はい、と軽い返事を残し寝室のドアを開ける。
服を脱ぎ去る一連の動作が軽やかになったことを
涼輔に見せたいぐらいに思った。