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最後の一色
第6章 5日目

別れてすぐ別の男性と結婚したそうです、と付け足すと、
立ち上がってコーヒーを淹れはじめた。
ただよう香ばしさが、少し気を静めてくれる。
フィルターから一滴一滴落ちていくコーヒーは、
催眠術にかける振り子のように見える。
ゆっくりと、ゆっくりと、あの時にタイムスリップしていく・・

「僕はね、結婚、っていう形にはまったくこだわりがなかった。
 それよりも人と人が寄り添って大事に想いあって一緒にいる、そういうことに
 意義がある、それこそ人生だ、なんて・・
 芸術家風を吹かしていたわけじゃないんですけどね・・」

彼女の、半分怒ったような顔を思いだした。
この肩を揺さぶりながら、もういいわよ!と大きな声を出した、恋人・・

側にいてくれるだけで創作意欲がわいた。
彼女をモデルにした絵、2人で旅行した先で目にした美しい風景。
描きたい、と思う瞬間にはいつも彼女がそばにいた。

愛していた・・でも・・今となってはもうただの過去・・
心にいつまでも残り続ける思い出。
そう受け止められるようになったのは最近のことだ。

いや、はっきりとわかる。
美紗緒とのかかわりを持ち始めてからだ。


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