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最後の一色
第11章 14日目
家事の仕事を済ませてから美紗緒が作ってきたお弁当を2人で食べ、
そのあと30分ほど休憩を取ってからアトリエでの仕事に取り掛かった。
寝室で着替えを済ませ、涼輔の待つアトリエに入る。
ソファの前で即座にガウンを脱ぎ捨て、いつものポーズで画家に微笑む。
いろんなことが変わった今日、美紗緒の眼も頬の上がり具合も、
口元の緩みも変わっていた。
昨日までと比べるとずいぶんと違う、と涼輔は気がついていた。
「すごく・・いい表情ですよ、今日は・・あ、そういえば・・
さっき初めて名前で呼んでくれましたね」
あの瞬間、涼輔の内側はびくんと脈を打った。
「やっと・・美紗緒さんと近づけた気がして嬉しかったです・・」
筆を止め、裸婦の頭から足の先までを眺める。
被写体の観察のふりをしながら、じつは美紗緒のすべてを見たかった。
モデルの裸婦、ではなく・・一人の女として・・