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最後の一色
第11章 14日目
エプロン姿で微笑む美紗緒、恥ずかしそうに弁当を差し出す美紗緒、そして
はじめてその腕を取った時の・・
あの時の彼女の面には欲望がにじみ出ていた・・もしかしたら・・
いや、きっと彼女も・・
自分と同じ事を考えている・・
涼輔は女の乳房で止まっていた視線をゆっくりと下げ、目を伏せた。
美紗緒は・・記憶を蘇らせていた。
さっき、寝室で、私にはじめて触れてくれた・・
勢いよくこの体を引き戻した彼の力・・
きつく握られたこの二の腕・・温かな手のひら・・
彼の瞳を見続けていたらきっと、心がとろけていったかもしれない・・
それよりあの時抱きしめてくれたら・・
ううん、抱いてほしかった・・・
キャンバスに向かう男の姿を、美紗緒は昨日までとは違う
想いを込めた眼で見つめた。