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最後の一色
第11章 14日目

アトリエでの仕事を済ませ、今度はキッチンでの仕事に取り掛かる。
涼輔がお茶の用意をしてくれている傍らで、美紗緒は
肉じゃがに使う材料を次々きざんでいく。
一通りの下ごしらえを終えるのを見計らって涼輔は湯飲みを美紗緒の席に置いた。
「モデルが終わってすぐ料理なんて、疲れるでしょう?ちょっとお茶でも飲んで
休んでください。あ、そうそう、お隣さんからのいただき物なんだけど・・」
食器棚から小ぶりな箱を取り出す。
中にはこんがりと日焼けをしたようなどら焼きが行儀よく並んでいた。
「ふふ・・なんだかとっても嬉しそう・・涼輔さんは甘党みたいだけど、
お酒は飲まないの?」
「まぁそこそこ飲みますよ。甘いものも酒もどっちもイケる口なんだ。
美紗緒さんは?上品なお菓子が似合うけど、意外と大酒飲みだったりして」
「いやね、どうしてわかるの?」
「えっ?ほんとなの?ほんとに大酒飲みなの?」

