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最後の一色
第11章 14日目

「冗談よ、冗談!やだ、涼輔さんたら信じたの?
それより、そんなふうに見えるの?私」
顔を見合わせて2人は笑った。
息が切れるほど、笑い声は喉の奥からあふれ出る。
こんなに次々と言葉を投げ合ったのは初めてだ。
いつも品よくさえずるような返事をする美紗緒しか見せてくれなかった。
でも今日は冗談を言って僕をからかったりして・・
男の前に裸をさらすことにはもうすっかり慣れてきた彼女。
でも、心から打ち解けているようにはまだまだ感じられなかった。
どこか遠慮が抜けきっていなくて。
だけどこれでようやく、壁が取り払われた・・
涼輔の息はまだ嬉しさにはずんでいた。
「もう、涼輔さんたらまだ笑って」
「ごめんごめん、だって、美紗緒さんがこんなに楽しい人だったなんて意外で」
美紗緒の後姿に声をかけると、振り返ってニコッと笑顔を返された。
その唇は男の中心をむずがゆくさせた。

