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第3章 出会い

薄手の白いTシャツ、黒のタイトパンツ、黒のスリッポン。


何だか…儚げ。


上から下まで彼を見つめて、…怖くなった。


ほんとに…空から？


すると。


｢見てたよ、空から。君を｣


｢…え、｣


｢彼に振られて、泣いて、ぶつけて、走って、ここに来た、君を｣


ゆっくり話す彼の言葉を、静かに聞く。


｢そして、俺を呼んだ。そうでしょ、…結ちゃん｣


首を傾げて微笑んだ彼の最後の言葉に、驚いて目を見開く。


｢なっなっ、何で名前っ…｣


｢だから言ったでしょ、空から見てた、って｣


｢…っ｣


説得力のある、言葉、言い方、声色。


…え、ほんとに？


恐る恐る、手すりから離れて彼に近付く。


目の前まで近付いて、そっと肌に触れた。


…わぁ、すべすべ。


睫毛なっが…


近くで見れば見る程、かっこよくて。


つい、言葉が溢れた。


｢…じゃあ。一緒に、いてくれるの、ずっと｣


無意識からの言葉。


にっこり微笑んだ彼に、更に言葉を重ねた。


｢浮気、しない｣


微笑んだままゆっくり首を振る彼。


止まった筈の涙が、また頬を伝う。


｢…ぃて｣


俯いて呟いたあたしの言葉に、聞き取れなかったのか覗き込んでくる彼。