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My blue sky prince...♡
第2章 別れ






「っ…」


篤…


向こうから歩いてくるのは、ほんの数分前に別れた元彼。


…と、


隣にいるの、誰…?


篤の前を歩いてた人達が丁度間を空けた時に見えた、篤の隣を寄り添って歩いている…


背の高い篤に遠く及ばない、小柄な可愛い女の子。


その子もあたしと同じような模様の浴衣で…


腕を組んで寄り添って歩く姿は、相思相愛のカップル以外何にも見えない。


そして、思わず目を見開いて立ち止まったあたしの目に映ったのは、愛しくて仕方ないと…あたしが知る限り初めて見る、あたしには向けられる事がなかった篤の”愛のこもった”視線。


その目線が、不意にあたしを捉えて、その瞳が大きく開いた。


…あ、


口を開いて、呼び止めようとしたあたしをよそに。


まるで何事もなかったかのようにあたしから視線を逸らした篤は、あろう事か…隣にいる、可愛い女の子の腰を抱き、あたしの横を通り過ぎて行った…


…え。


あたしの体に人がぶつかっていく。


「邪魔」


なんて言われて押しのけられたりする。


なに、それ。


「…はぁ、はぁ、はぁ」


…息が苦しい。


ボロボロと涙を零しながら、…振り返った。


もう何も考えてなくて、咄嗟の行動だった。


浴衣なのを一瞬忘れて、遠くなっていく長身目掛けて走り出した。


「…っ、このっ…」


今日の為に買った浴衣用のカバンを振り上げて…


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