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らぶあど encore!
第34章 祈り
一度疑念が沸けば止めどなく黒い思いが胸の奥から噴出してきて、煙が喉から出てくるような息苦しさを覚えて咳き込みそうになる。
あぐりは、景子の心を信じたいのか、彼女を信じていた自分の感覚を信じたいだけなのか、分からなくなっていた。
カナは絶句したあぐりの手を振り払うと病室に向かい走っていく。
『待って……』
あぐりは追うが、足に力が入らず上手く走れなかった。
息を切らして病室に入るとほなみと祐樹の姿が鳴く、真っ白な顔色のカナとベッドに無言で腰掛ける亮介が居た。