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らぶあど encore!
第34章 祈り
『……ほなみと西君は……?』
何でもないのかも知れない。二人で仲良く病院の中庭にでも散歩に行ったのかも知れない。それとも、祐樹が病院に居るのが飽きてほなみを連れて外へデートへ行ったのかも知れない――そうであって欲しいとあぐりは思った。
だが不吉な予感が止まらない。カナと亮介の暗い表情、部屋の重苦しい空気がそうさせる。
亮介はあぐりの方を見て小さく言った。
『ほなみちゃんが……倒れて――』
『嘘でしょっ?』
被せるようにあぐりが叫び、頭を抱えた。