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らぶあど encore!
第34章 祈り
あぐりは扉の上の階の動かない表示を見てため息を吐くと、カナの手を引いて階段へ向かう。どうせ下りだし、いつまでも来ないエレベーターを待っているなら階段を降りたほうが早い。
二人の靴音が響く中で、あぐりはゆっくりと話す。
『智也はさ……カナちんの事を信用しているから、景子の事を話したんじゃないの?』
『……』
『これっていわばクレッシェンド……いや、岸コーポレーションがバックアップしてるdream adventureの重要機密じゃないの?それをカナちんに打ち明けたって事なんじゃないの?』
カナは立ち止まり、空虚な目をあぐりに向けた。