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らぶあど encore!
第34章 祈り



「どうするの?これから」

「――何をだ」

「景子の事に決まってるでしょ」




 あぐりに言われ、綾波は腕を組み天井を仰ぐ。



「さて、どうしたものかな……」




 北森景子と、あのバンドのボーカルの男が繋がっていた――という事実。しかも深い関係らしい。

 この事を知った亮介は荒れるだろうか?

 自分が命を懸けて事故から守ろうとした女が大きな秘密を抱えていた――それも男が絡む――それを知ってなお、彼女に誠実な愛情を向ける事がこれからも出来るだろうか。

 今までは景子への思いが彼を奮い起たせていた様に見えた。男としてミュージシャンとしてもっと成長してみせる、という貪欲さが亮介の眼差しや佇まいから滲み出ていた。どちらかと言えば無欲な彼がずいぶんと変わったものだ、と綾波も思っていたのだが――



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