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らぶあど encore!
第34章 祈り
「え……ってマジで?」
「大まじめだ」
「……って言っておきながら反撃するんじゃないでしょうねっ」
「お前のパンチでどうにかなるほど柔じゃないさ……まあ、逆にお前を取っ捕まえて悪戯してやるのもいいが、野村に殺されたくないからな」
「あ、ああああんたって奴は――!」
あぐりは両の掌で挟み込むように綾波の頬を打った。
瞬間綾波は僅かによろめき顔をしかめ、あぐりは爽快な気持ちになり思わずガッツポーズをする。
「本当に遠慮なしにやってくれたな……ダブルでくるとは想定外だったぞ」
「一粒で二度美味しい?一挙両得?」
「言葉の使い方がおかしいだろう」
綾波は叩かれた頬をマッサージするように掌で擦り、小さく呟く。
「まあ……俺も不謹慎な真似をしたバチが少しはあっても仕方がないか……」
綾波は、料亭で景子にしたセクハラまがいの恫喝を思い出し、苦く笑った。