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らぶあど encore!
第34章 祈り
「え?」
「いや……何でもない」
あぐりが首を傾げた時、診察室の扉が開き、二人はハッとする。
祐樹にもたれ掛かったほなみを見て、あぐりは涙を溢した。
「ほなみっ……」
駆け寄り、手を握るあぐりにほなみはやんわりと笑いかける。
その頬がうっすらと桃色な事にあぐりは安堵するが、ほなみを支えている祐樹の表情は険しかった。
「ごめんね、心配かけちゃって……」
「謝ることないわよ~!ねえ、大丈夫なの?」
あぐりは涙をポロポロ流しながら言うが、ほなみは慰めるように彼女の頭を撫でて頷いた。